令和トラベルの調査研究機関 令和トラベル研究所は、2023年の夏休みシーズン(7月-9月)に日本から海外に出国する日本人の渡航者数がどう推移するのかの予測値を発表しました。さらには、アンケートを実施し、この夏の海外旅行の意向を調査しました。
調査の結果、今年の夏休み期間(7-9月)は、2019年度比 約50%の水準まで回復するのではないかと予測しています。3月から日本国内でもマスクの着用が個人の判断となり、長かった私たちのコロナ生活にも変化が訪れました。※1
そして、5月には日本政府より新型コロナウイルスに関する水際措置の終了が発表され、※2 事実上コロナ前と同じ条件で海外旅行に行ける状況となりました。
それを受け、日本人に人気の韓国旅行を中心に海外旅行は確実に回復の時を迎えています。こうした流れを受け、海外旅行全体としても今年の夏休み期間(7-9月)には、昨年の2.5倍程度の回復度合いにまで戻るのではないかと予測します。
※1 令和5年2月10日 厚生労働省HP マスクの着用について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html
※2 令和5年4月3日 内閣官房長官記者会見より
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202304/03_p.html
▶︎調査方法について
心理障壁の観点も踏まえつつ、算出した取扱額ベースの回復率から日本人の出国者数の回復率を推測する形で試算しました。詳しい前提条件や算出方法は、以下、公式noteをご参照ください。
2023年6月19日 【令和トラベル研究所】2023年夏休み海外旅行 動向予測
https://note.com/reiwatravel/n/n2c8e4f24836b
■調査の背景
今年のゴールデンウィークは、海外へ旅行する人が昨年と比較しても大幅に増え、各メディアでも「GW 海外旅行回復」が大きく取り上げられました。実際、航空各社は4月29日から5月7日までの利用実績を発表し、日本航空は昨年の約2.3倍の15万1,735人で、コロナ前の6割を超えたことを発表*1しました。
また、日本政府による水際措置の終了が発表されたことからも、この夏の海外旅行の動きには大きな変化が起こると予想し、海外渡航者数の動向予測と『NEWT(ニュート)』のSNSアカウントを用いた意向調査を実施いたしました。
*1:日本航空株式会社「2023年度 ゴールデンウィーク期間ご利用実績」
https://press.jal.co.jp/ja/release/202305/007387.html
■【速報】NEWT 夏休み旅行予約ランキング
▶︎算出方法について
算出日:2023年6月9日
対象:『NEWT(ニュート)』にて対象範囲日のツアーをお申し込みの方
対象範囲:帰国日が2023年7月15日以降、出国日が9月30日まで
対象商品:パッケージツアー
・ランキングのサマリー
1. 旅行先は「韓国・ソウル」が圧倒的人気。アジアを中心にリゾートも注目を集める。
目的地別ランキングでは、1位「ソウル(韓国)」2位「バンコク(タイ)」3位「ホノルル(ハワイ)」とかねてより日本人に人気の高い国が上位にランクイン。4位以降では、主に安近短(費用が安く、距離が近く、日程が短いこと)で気軽に楽しめる旅行先が人気となりました。特に、韓国は2022年8月にビザなしでの渡航が可能となって以降、問い合わせが急増、NEWTでもっとも人気の高い目的地となっています。
2. 出発日にはばらつきが。休日とつなげられる木曜、金曜が人気。
出発日では「7月14日」「8月24日」「7月15日」が上位3位にランクインし、7月中旬の3連休が人気を集めました。この期間の予約の大半を女性、旅行人数は2人が多数を占めていることから「女子少人数旅」の需要の高さが見られます。年齢層は20代~60代と幅広い層での予約が入っています。
・目的地編
かねてより日本人に人気な「ソウル(韓国)」「バンコク(タイ)」「ホノルル(ハワイ)」がトップ3にランクインしました。他にもアジアリゾートとして人気な「セブ(フィリピン)」が4位、「バリ(インドネシア)」が6位に入っています。
・出発日編
出発日は7月、8月ともに週末の木曜日や金曜日が人気を集めました。土日や祝日とつなげて連休にし、海外旅行に行くという人が多いようです。
■夏休みの海外旅行の意向調査
今回、この夏休みの海外旅行の動向について、『NEWT(ニュート)』のTwitter、Instagramアカウントでアンケート調査を実施いたしました。
▶︎アンケート方法について
実施期間:2023年6月9日-6月11日
実施アカウント:
- Twitter:https://twitter.com/newt_travel
- Instagram:https://www.instagram.com/newt_guide/
有効回答数:計879
この夏の海外旅行に行く予定があるという方は32%となり、検討中の方と合わせると53%と半数以上の方が、この夏、海外旅行を視野に入れていることが分かりました。
昨年の調査では、行く予定があると回答した方は18.2%であったため、この1年間で海外旅行に対する意識に大きな変化があったことがわかります。また、悩み中・検討中という方も4割弱いることから、今後の円安・燃油などの状況等によっては、海外旅行市場が大きく動く可能性もあると考えます。
Q1で海外旅行に行く予定があると回答された方への追加質問で、ひとりあたりの予算感はどのくらいなのかについて、10万円未満が39%、10万~20万円未満が36%、20万~30万円未満が11%、30万円以上が14%という結果になりました。
昨年と同様に20万円未満での旅行を検討する方が大半を占め、目的地としても費用を抑えられるアジアなどの近隣諸国が人気を高めています。円安などの状況に変化があれば、より目的地の幅も広がることが予想されます。
▼20万円未満で行ける国・地域
韓国、台北、タイ、フィリピン、ベトナム、香港など
※2023年6月16日時点
Q1で海外旅行に行く予定があると回答された方への追加質問で、海外旅行はどなたと行く予定ですかという質問に対して、ひとり旅が26%、友人や恋人(2人)が48%、グループ(3人以上)が8%、家族が18%という結果になりました。
昨年は、ひとり旅が33.3%だったのに対し、今年は26%まで減少しました。加えて、グループ旅行や家族旅行といった複数人での旅行は伸び悩みをみせる結果となっています。友人や恋人との2人での旅行の需要が48%と半数近いことがわかりました。
コロナ前と同じ条件での旅行が可能になった一方で、未だに残る心理的障壁や円安・燃油高といった金銭面での課題がこれらの結果に影響していると予想します。
■海外旅行は回復傾向、引きつづき身近なリゾート地やアジア圏への少人数旅行が人気か
今回の調査を受け、昨年と比較しても確実に「海外旅行の回復」の波が大きくなっていることがわかりました。これらの背景としては、各国の水際措置の廃止によってコロナ前と同じ条件での海外旅行が可能になったことが考えられます。
一方で、予算や人数は、昨年と比較しても大きな変化がなく、20万円以下での旅行を計画する方が多い傾向が続いています。ハワイなど旅行者の多い身近なリゾート地や、韓国など近場のアジア圏の人気がしばらく続くと考えます。また、近年の動きとして、グループ旅行や団体旅行ではなく、ひとり旅や少人数での旅行が中心になっていることがわかりました。
▶︎詳しくは令和トラベル公式noteをご覧ください:
【令和トラベル研究所】2023年夏休み海外旅行 動向予測
https://note.com/reiwatravel/n/n2c8e4f24836b